子どもたちへの理解をもっと深めるため、お家の方へ何か参考にでもなったらいいなと思い、今回は「感覚の発達」について書かせて頂きたいと思います。
子ども達の発達の段階やスピードも一人ひとりによって異なりますが、どの子も発達の順序は同じだと言われています。その発達の中で、困りごととなってしまう発達のつまずきの一つの視点として「感覚の発達」があります。
感覚と聞くと、「視覚・嗅覚・聴覚・味覚・触覚」の五感を思い浮かべますが、五感は自覚しやすい感覚で、その中でも「触覚」は本能的に肌で感じる自覚しにくい感覚があります。この「自覚しにくい感覚」が発達には大切だと言われいます。
触覚は触ったり、触られたりすることを感じる感覚で、皮膚を通して感じます。触覚がうまく育っていないと、精神的に不安定になり、落ち着かせるために特定の物や水を触り続けることがあるそうです。また舌触りや歯触りなど、口の中の触覚が過剰に反応することが原因で、偏食につながることも多いようです。つむぎの子ども達の中にも偏食のある子がいますが、触覚過敏と味の好き嫌いとを見極めるのがなかなか難しく……昼食では食材を小さくしてみたり、形態を変えたりして、どうすれば無理なく食べられるのか考え試しています。
洋服など特定の肌触りのものに執着する子や、床に敷いたマットを踏むのを嫌がる子もいて、こうした子も触覚の発達が不足しているか、触覚過敏と考えられます。
つむぎでは触覚の発達を促すために、ボールプールや粘土、新聞遊びなどを取り入れています。特にボールプールは不安定のボールの上を歩いたり、ボールの中に潜ったりして、自然と全身の感覚が刺激され、つむぎでも大人気です。粘土や新聞遊びでは指先や手の触覚の発達だけでなく、丸めたりちぎったりして手の器用さにもつながっていきます。
ご家庭でもまずは子どもの身体に触れ、触られても大丈夫な場所を広げてあげて、触覚をたくさん刺激してあげてくださいね☆ 児童指導員 佐藤 紅